出典/Panasonic
新築でマイホームを建てるとき、オール電化が良いのか、それともガス+電気のウィズガス住宅が良いのか…迷む方も多いですよね。なかなか悩む問題かと思います。最近ではガス併用よりもオール電化を選ばれる方が多い印象ですが、その理由について考えてみましょう。
そもそもオール電化って?
従来の住宅では、このようなかたちで電気とガスが併用されていました。
■ウィズガス住宅(電気+ガス)
・電気:冷蔵庫、洗濯機、照明など
・ガス:ガス代、お風呂の給湯など
オール電化住宅では、給湯・調理・冷暖房などすべての熱源を電気でまかなっています。
オール電化で使われる主な設備
◆給湯
出典/Panasonic
ガス給湯器ではなく、電気でお湯をわかす「エコキュート」や「電気温水器」などが必要です。電気温水器はタンクのなかのヒーターでお湯を沸かす装置で、電気代が高め。エコキュートは空気の熱も活用して、少ない電力でお湯を沸かせる設備です。家計にも環境にもやさしいエコキュートがよく選ばれています。
◆調理
出典:LIXIL
ガスコンロの代わりに、電気で加熱する「IHクッキングヒーター」が使われます。直火を使わないので火事の心配が少なく、フラットなのでお手入れもとても簡単です。
オール電化住宅の普及率
2020年に富士経済が発表したオール電化住宅やZEH、コネクテッド住宅の市場調査がこちらです。
参考:富士経済/2020年版住宅マーケット別建築・機器・サービス市場調査
この調査よると、2020年度に新築されたオール電化住宅はおよそ27.1万戸。このうち9割以上が戸建住宅とのことです。
東日本大震災直後こそ着工数は減っていましたが、2017年度以降は年々増加。2030年には日本のすべての住宅のうち19%くらいがオール電化になるのではないかと予想されているようです。古い住宅もすべて含めて、5軒に1軒はオール電化になる時代がくるということですね。
オール電化が普及拡大している理由は?
オール電化住宅の普及が拡大しているのには、いくつかの理由が考えられます。
電力小売全面自由化
以前は「東京電力、関西電力」などの各地域の電力会社のみが電気の販売を許されていました。しかし2016年4月に電力小売業が全面自由化されたのは記憶に新しいですよね。
これでさまざまな企業が参入し、私たちは「どの会社から電気を買うのか」を自由に選べるようになりました。電力会社の競争が進むなか、各社、電力量を増加させるため、オール電化の販売に力を入れています。
IHクッキングヒーターの性能アップ
IHや給湯器の性能がアップしたことで、消費者の「オール電化って大丈夫かな?」という不安が払拭されたのも、普及が拡大している理由の一つといえます。
以前は「炒め物といえば火力の強いガスコンロがいい!」というイメージもありました。しかし、IHの性能は年々アップ。むしろボタンひとつで火力を微調整できたり、揚げ物の油の温度をコントロールできたりと、慣れてくるとIHのほうが使いやすいという方もいらっしゃいます。
給湯器の性能アップ
給湯器の性能アップも、オール電化普及に一役買っていると考えられます。貯めているお湯が冷めにくく省エネになったり、シャワーの水圧が強かったりと、各社さまざまな機能がついています。
また給湯器の小型化・スリム化も進んでいるので、これまで設置が難しかったマンションなどでも導入しやすくなったというのも一つあるでしょう。
まとめ
今回はオール電化住宅が増えている理由について解説しました。次回は、オール電化のメリット・デメリットについて、中立的な視点で整理していきたいと思います。