暑い家・寒い家
私事、お客様のお家造りに携わらせて頂いて早30年が経ちましたが、ふと自分の家を見てみると、築60年近くも経ちあちこち老朽化し、まさに「紺屋の白袴」状態です・・・
安心・安全な家を造るプロの家がこんな事ではあまりにお恥ずかしい、という事でいよいよ自宅の建て替えに重い腰を上げることになりました。
という事でしばらくの間、近くの一軒家をお借りしての仮住まい生活が始まりました。
仮住まいして改めて気づく事
お借りしたお家も築30年以上は経っているであろう木造のお家で、大きな窓は床から天井近くまでの一枚ガラスで日当たりも最高の明るいお家です。引っ越し当初は夏から秋にかけて気持ち良く過ごしておりましたが、ここ最近寒くなってきてから、当初から抱いていた不安は的中しました。
そうなんです、寒いんです・・・
大きな窓というのは、一見すると開放的で気持ちの良いものです。
テレビや雑誌でもよく見かける素敵なお家のほとんどは、窓が大きく明るいイメージのものばかりです。
しかし、大きな窓=広い開口部 のデメリットは、お分かりの通り冬は冷たい外気の影響を受けやすく寒くなり、夏は強い日差しが差し込むので大変暑くなりやすいのです。
仮住まいを決めた時からその窓の状況を見てすぐに「冬は相当寒いだろうな」と確信していましたが、実際体感をしてみると、あらためて身に染みてきました。
古くから日本人は、情緒豊かな日本の四季を生活の中に取り入れてじょうずに過ごせる様に工夫してきました。
しかし皆様も良くご存じのとおり、昨今の地球温暖化・異常気象により、気持ちの良い季節(春や秋)がいつのまにか少なくなってきています。
という事は極端なはなし、ものすごく暑いか寒いかのどちらか、ということです。
ヒートショックという言葉は皆様良くご存じのとおりだと思いますが、夜中や明け方に布団を出るときはいつも、この言葉が頭をよぎります。
また、毎年、熱中症で救急搬送される方が増えていますが、自宅で発症する方が圧倒的に多いそうです。
いつの間にか日本の気候は、命の危険を感じる程に変化をしてきています。
安心・安全な家とは、地震や災害から身を守るだけでは済まなくなってきているのです。
とはいえ、大きな窓は開放的で気持ちの良いものです。
ガラスやサッシの性能も年々上がっていますので、工夫次第で大きな窓を取り入れる事も可能です。
次回も快適な住まいについてお話ししたいと思います。
今年も大変お世話になりました。
来年もどうかよろしくお願いいたします。