前回までは、比較的多く使われている「引き違い窓」と「滑り出し窓」についてお伝えして参りました。
今回はその他の窓についてお話ししてみようと思います。
※LIXIL HP より
ルーバー窓・オーニング窓
画像からもわかる通り、数枚のガラス板(ガラスルーバー)をハンドルで操作し開閉して使用する窓になります。
主に換気目的で、キッチンや浴室・洗面など湿気の多い場所で使われていますが、気密性が悪く防犯性も悪い為、新規で使われる事は少なくなりました。
もし現在この窓を使用されている場合は、格子を付けるなどの防犯対策をおすすめします。
オーニング窓はルーバー窓に似ていますが、ルーバーの一枚一枚を枠で囲んでいるので気密性が少し上がります。操作方法もハンドルを回す点で同じといえます。
メリットとしては、プライバシーを守りながら通気が可能な事、多少の雨でも内側に水が入りにくい事などがあげられます。
目的はルーバー窓同様、換気目的になりますが、
デメリットとして気密性に劣り、防犯性にも心配がありますので対策を講じる事をおすすめします。
どちらの窓も、網戸は内側になりますが、窓の操作のために網戸も開閉する手間が増えるという事もデメリットのひとつです。
上げ下げ窓
名前の通り、二枚の上下の窓ガラスを上げ下げする事により使用する窓のことです。
欧米の寒冷地でも使われる気密性の高い窓で、見た目もおしゃれということで、人気のある窓のひとつでもあります。
開閉の仕方はおよそ以下の3種類があります。
・シングルハング(片上げ下げ型)・・・下の窓のみ開けられて、上は固定で動かない
・ダブルハング(両上げ下げ型)・・・・上下の窓が別々に開閉できる
・バランス開閉(スリット上下型)・・・上下の窓が連動して一緒に動くタイプ
一番のメリットはお伝えした通りそのデザイン性でしょう。
また、上下の窓を開けられるタイプであれば1か所で2か所の開口がとれるので、通風性がメリットとなります。
デメリットとしては、通常の引き違い窓よりも価格が高めになります。
価格の点からみると製品にもよりますが縦すべりだし窓と同等になってきますが、風を取り込むという点では縦すべりだし窓の方が優れていますので、デザインを重視するか、機能を重視するかで意見の分かれるところでしょう。
また、日ごろのお手入れの点で掃除がしにくいという事もあげられます。構造上、内側のガラスは掃除出来るのですが、外側のガラスは簡単に掃除できないので、どうしても外側からモップなどを使って拭く事になってしまいます。
長い目で見た場合のメンテナンスを考えると、2階以上の高い場所への設置には注意が必要です。
サッシひとつを取り上げても本当に奥が深い事がわかりますね。
家づくりはまだまだたくさんの部材との出会いがあります。
それら一つ一つを知り、理解する事は大変でもありますが醍醐味でもあるのですね。